空き家の再生事業
過疎化が進み人口が減少しつつある館山市では、空き家が至るところで目立つようになってきています。私たちの拠点の西岬地区は特に空き家率が高く、大学の調査によれば将来に空き家率が8割になると予想されています。
空き家が放置された状態が続くと、庭木や雑草が手入れされずに繁茂し、庭木の敷地からの侵出や害虫の発生、野生動物の侵入やその糞害、さらには建物の倒壊による危険やシロアリの発生など、近隣の住民は様々な被害を被ります。
このように空き家の増大は社会問題として深刻化しており、その解決は待ったなしの状況となってきています。
一方、館山市は東京から車で2時間以内に来れる比較的近いリゾート地なので、安価な物件があれば移住先だけでなく、2拠点生活やレジャー目的のための別荘などとしての需要が見込まれます。
そこで空き家や耕作放棄地の委託管理を私たちの団体が請け負い、空き家は人が住める程度にDIYで修繕し、耕作放棄地は畑などとして活用できるように整備します。
近年はDIYや古い物が人気があるので、古い空き家をDIYすること自体が目的にもなり、空き家再生事業にもDIYの要素を反映するべきと考えます。また低価格の賃貸物件は、敷居が低く利用しやすいと思われます。
その上で空き家を賃貸物件、耕作放棄地は貸農園として利用者を募集するなどして事業化を進め、過疎地域の活性化につなげる活動を行います。空き家はただ取り壊すだけでなく、ニーズにあった活用をすることでピンチをチャンスに変えます。
農産物、ハーブの栽培
館山市の農業は、高齢化や後継者不足、目立った特産品の不足から衰退傾向にあります。
しかしながら館山市は熱帯の北限と言える温暖な場所であり、大消費地の東京にも比較的近いことから、立地上は比較的恵まれているといえます。場所を選べば沖縄などの植物で栽培可能な種類があるため、話題性の高い特産品が作りやすいと考えられます。
そこで私たちAWA369では、世界の熱帯で広く野菜として利用される、レモングラス栽培に取り組んでいます。
一般には冬は枯れる植物として知られていますが、館山の畑では冬越しして5月から旺盛に生長をはじめます。また野菜として利用される根元付近の茎部分は年末まで収穫が可能です。
温暖な館山では丈夫で生長が早く、温暖化の進行による気象変化や災害に強いので、生産者にとっても労力がかからず栽培容易な植物です。
近年はパクチーなどエスニック料理の食材の人気が高いことから、レモングラスが食材として受け入れられる可能性は高いと考えられます。普及させるにはプロモーションが重要ですが、成功すれば他にない特産品になります。
またレモングラス以外にも、熱帯の北限・館山ならではの特産品になりえる農作物やフルーツの栽培に取り組んでいきます。
食品の加工・製造事業
新しい農作物を普及させるには、事業の6次産業化が重要です。
レモングラスをシロップや料理用ソース、ハーブティーなどに加工して販売します。
水産業は乱獲や温暖化による磯やけなどの原因で、危機的状況です。
AWA369の拠点は海の近くにあり、理事に漁師がいることから、
水産業の現在の状況は私たちにとって身近な問題でもあります。
タカベなど活用されにくい小魚類などを主体に、魚粉や魚醤などの加工に取り組んでいます。
さらに魚粉と魚醤、レモングラス等のハーブを合わせたドレッシングの開発。
限りある水資源を無駄なく有効活用し、SDGsに貢献します。
将来的には、未利用魚を餌に使った、陸上での養殖事業にも取り組みたいと考えています。
福祉サービス事業
持続可能な事業を確立したうえで、就労継続支援、共同生活援助などの福祉事業に
取り組みます。
補助金を主体とした運営にならないことを、重要視しています。
誰もが生きやすい社会が、幸せな未来につながると考えています。
地域貢献事業
人口の減少、高齢化により労働力が減少していますが、耕作放棄地などの空地や庭の整備、
わな猟によるイノシシ等の獣害駆除、海岸清掃を行い、地域に貢献します。
地域の人々とのつながりが最も大切なことであり、プライスレスな財産です。
